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1.株式会社と取締役との関係

会社法では、”株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う”と規定されています(会社法330条)。なお、「役員」とは、取締役、会計参与及び監査役のことをいいます。
したがって、株式会社と取締役との関係には民法の委任に関する規定が適用されることになります。

2.委任の規定の適用

民法の委任に関する規定が適用される結果、株式会社と取締役間の関係は、主に以下のような法律関係となります。

(1) 善管注意義務
取締役は、委任の本旨に従って、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負うことになります(民法644条)。
(2) 報酬
民法上、受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができないと規定されています(民法648条1項)。取締役も、会社法における報酬に関する規定に従って、報酬が定められない限り、会社に対して、報酬を請求することができません。
(3) 辞任、解任
取締役は、いつでもその職を辞任することができます。もっとも、会社に不利な時期に辞任をしたときは、取締役は、損害を賠償しなければなりません。ただし、やむを得ない事由があったときは、賠償義務は発生しません。
会社の側からも、いつでも、株主総会決議によって解任することができます(会社法339条1項)。このとき、解任された取締役は、解任について正当な理由がある場合を除いて、会社に対して、解任によって生じた損害の賠償を請求することができるものとされています(会社法339条2項)。
(4) 終了事由
取締役が死亡した場合、破産手続開始の決定を受けた場合、後見開始の審判を受けた場合には、委任関係は終了し、取締役の地位を失うことになります(民法653条)。

関連条文

会社法330条
株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
民法644条
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
民法653条
委任は、次に掲げる事由によって終了する。

  1. 委任者又は受任者の死亡
  2. 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
  3. 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

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