遺言書があるかどうかによって相続の手続の流れが変わってきます。
でも、遺言書が見つかったからといって、すぐに開封してはいけません。
今回は、遺言書を預かっている場合や発見した場合にとる手続について、ご説明します。

遺言書があるときには

遺言書を保管している方は
遺言書を保管している方は、相続の開始を知った後(遺言をした人が亡くなったということを知った後)、遅滞なく、保管している遺言書を家庭裁判所に提出して、遺言書の「検認(けんにん)」を請求しなければいけません。検認とは何かについては、次の項でご説明します。
あとから遺言書が見つかったときは
相続人が遺言書を発見したときも、遺言書を家庭裁判所に提出して、遺言書の検認を請求する必要があります。

検認とは何ですか?

遺言書の形状や状態など、検認の時点における遺言の内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防ぐための手続です。相続人に対して、遺言の存在とその内容を知らせるという意味もあります。
ただし、あくまで遺言書の現状を確定するためのものですので、遺言書の実体上の効果を判断するものではありません。

遺言書ごとの扱い

封印のある遺言
封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封することができません。
公正証書遺言
公正証書遺言は、検認の対象となりません。

検認の手続

  1. 検認の申立てをする裁判所
    被相続人の住所地の家庭裁判所が管轄裁判所となります。
  2. 申立後の手続
    家庭裁判所は、検認を行う日(検認期日)を定めて、すべての相続人に対して通知をします。通知を受けた相続人が、検認期日に出席するかどうかは、それぞれの判断に任されています。ちなみに、相続人全員がそろわなくても、検認手続を進めることができます。
  3. 調書
    遺言書の検認について、調書が作成されます。

家庭裁判所外で遺言書を開封したら

家庭裁判所に遺言書を提出することを怠ったり、検認を経ないで遺言の執行をしたり、または家庭裁判所外で遺言書の開封をした場合には、5万円以下の過料に処せられることになります。

具体的な手続は

より専門的なお話は、こちらの記事で詳しくご説明しています。
遺言の検認と開封

関連条文

民法第1004条
1. 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

2. 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。

3. 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

家事事件手続法第209条
遺言に関する審判事件は、相続を開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
民法第883条
相続は、被相続人の住所において開始する。
家事事件手続法第211条
裁判所書記官は、遺言書の検認について、調書を作成しなければならない。
民法第1005条
前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。