- 借地借家法第7条
- 借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。
- 借地権者が借地権設定者に対し残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合において、借地権設定者がその通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、その建物を築造するにつき前項の借地権設定者の承諾があったものとみなす。ただし、契約の更新の後(同項の規定により借地権の存続期間が延長された場合にあっては、借地権の当初の存続期間が満了すべき日の後。次条及び第18条において同じ。)に通知があった場合においては、この限りでない。
- 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第一項の規定を適用する。
- 借地法(旧法)第7条
- 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
条文の趣旨と解説
借地権の存続期間中に借地上の建物が滅失したとしても、借地権の存続期間は影響を受けず、借地権は存続します。したがって、借地権の存続期間中、借地権者は新たに建物を建てることができるところ、この場合に新たに建てられる建物の耐用年数は、借地権の残存期間を超えることとなることが一般的に想定されます。借地権者の立場からすれば、再築建物の耐用年数だけ借地権の存続が確保されることが望ましいのに対し、他方で、借地権設定者の立場からすれば、借地権者の一方的行為によって借地権の存続期間が延長されては不利となります。そこで、本条は、借地権設定者の承諾がある場合に限って、借地権の存続期間が延長されるものとして、当事者双方の利害調節を図っています。
借地権の期間の延長
要件
本条により借地権の期間が延長されるための要件は、(1) 借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含みます。)があったこと、(2) 借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したこと、(3-a) 建物を築造するにつき借地権設定者の承諾があったこと、又は(3-b)借地権者が借地権設定者に対して築造する旨を通知した場合(ただし契約の更新後に通知があった場合は除きます。)において、借地権設定者がその通知を受けた後2ヶ月以内に異議を述べなかったこと、です(本条1項本文、本条2項)。本条の要件が満たされた場合には、借地権は、借地権設定者の承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続します(本条1項本文)。ただし、借地権の残存期間がこれよりも長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間によります(本条1項ただし書)。
借地借家法附則
借地借家法の施行日である平成4年8月1日より前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の滅失後の建物の築造による借地権の期間の延長に関しては、借地法の規律に従います(借地借家法附則7条1項)。なお、借地借家法の施行日である平成4年8月1日より前に設定された借地権について、その借地権の目的である土地の上の建物の朽廃による消滅に関して、借地法の規律に従います(借地借家法附則5条)。借地上の建物が朽廃したことにより借地権が消滅した場合には(借地法2条1項ただし書)、借地法7条の規定により存続期間が延長されることはありません。
条文の位置付け
- 借地借家法
- 借地
- 借地権の存続期間等
- 借地借家法第3条 - 借地権の存続期間
- 借地借家法第4条 - 借地権の更新後の期間
- 借地借家法第5条 - 借地契約の更新請求等
- 借地借家法第6条 - 借地契約の更新拒絶の要件
- 借地借家法第7条 - 建物の再築による借地権の期間の延長
- 借地借家法第8条 - 借地契約の更新後の建物の滅失による解約等
- 借地借家法第9条 - 強行規定
- 借地権の存続期間等
- 借地