- 民法第89条
-
- 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
- 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。
条文の趣旨と解説
天然果実(88条1項)は、その元物から分離する時に、これを収取する者に帰属します(本条1項)。
法定果実(88条2項)は、収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によってこれを取得します(本条2項)。
なお、本条第2項は、収取する権利の帰属を定めたものではなく、帰属権利者間の内部関係を定めたものと解されています(我妻栄『新訂民法総則』)。具体的には、賃貸建物の所有権が譲渡された場合でも、賃料は、支払時期における所有者に帰属し、譲渡人と譲受人との間で日割り計算を行うことになります。
当事者の合意によって、本条による果実の分配と異なる定めをすることもできます。
条文の位置付け
- 民法
- 総則
- 物
- 民法第85条 – 定義
- 民法第86条 – 不動産及び動産
- 民法第87条 – 主物及び従物
- 民法第88条 – 天然果実及び法定果実
- 民法第89条 – 果実の帰属
- 物
- 総則