民法第264条の11
  1. 管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
  2. 管理不全土地等が数人の共有に属する場合には、管理不全土地管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。

条文の趣旨と解説

管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければなりません(本条1項)。

管理不全土地管理命令は共有持分を単位として発せられるものではありませんが、その対象となる土地が複数人の共有に属する場合には、特定の共有者の利益を犠牲にして他の共有者の利益を図るような行為をすることは適当でないと考えられます(法制審議会民法・不動産登記法部会『部会資料52』)。
そこで、管理不全土地管理人は、共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならないとされています(本条2項)。

条文の位置付け