借地借家法第35条
  1. 借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
  2. 前項の規定により裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する。

条文の趣旨と解説

土地の賃借人がその土地上に築造した建物を第三者に賃貸したとしても、転貸には当たらず(大審院昭和8年12月11日判決)、したがって、借地権者は、賃貸人の承諾(民法612条1項)を得ることなく、借地上の建物を賃貸することができます。
しかし、借地権が期間満了により終了した場合には、建物賃借人は建物を退去し、土地を明け渡さなければなりません。もっとも、建物賃借人が建物所有者の土地使用権原の内容まで把握していることは稀といえることから、土地所有者から建物賃借人に対する建物退去土地明渡請求は不意打ちとなることが考えられます。
そこで、借地借家法は、建物賃借人を保護するため、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができるとしています(本条1項)。
裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって、終了します(本条2項)。

条文の位置付け