借地借家法第20条
  1. 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。
  2. 前条第二項から第六項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。
  3. 第一項の申立ては、建物の代金を支払った後二月以内に限り、することができる。
  4. 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十九条の規定は、同条に規定する期間内に第一項の申立てをした場合に準用する。
  5. 前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第二項において準用する前条第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

条文の趣旨と解説

建物に抵当権が設定された場合、判例は、「建物を所有するために必要な敷地の賃借権は、右建物所有権に付随し、これと一体となって一の財産的価値を形成しているものであるから、建物に抵当権が設定されたときは敷地の賃借権も原則としてその効力の及ぶ目的物に包含される」としています(最高裁昭和40年5月4日第三小法廷判決)。
したがって、第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合には、その第三者は賃借権も取得するため、賃借権の無断譲渡の問題(民法612条1項)が生じます。
そこで、本条は、第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所が、第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができることを定めました(本条1項前段)。

条文の位置付け