借地借家法第5条
  1. 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
  2. 借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
  3. 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。
借地法(旧法)第4条
  1. 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
  2. 借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
  3. 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
借地法(旧法)第6条
  1. 借地権者借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
  2. 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有者ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス

条文の趣旨と解説

本来は借地権の存続期間が満了すれば、借地人は土地を明け渡さなければならないはずですが、借地人の生活の本拠を保護するという観点から、借地権は、その存続期間の満了に関わらず、更新されることが原則とされています(鈴木禄弥・生熊長幸『新版注釈民法(15)』)。

更新請求による更新

借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(本条1項本文)。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでありません(本条1項ただし書)。

使用継続による法定更新

また、借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、借地権者による更新の請求があった場合と同様に、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときを除き、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(本条2項)。
転借地権が設定されている場合には、転借地権者がする土地の使用の継続を、借地権者がする土地の使用の継続とみなします(本条3項)。

ところで、民法619条は「賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一ノ条件で更に賃貸借をしたものと推定する。」と規定しています。民法619条は「推定」(いわゆる「法律上の事実推定」)であることから、賃貸人は更新合意の存在も争うことが許されますが、これに対して、本条2項では「みなす」とされていることから、借地権設定者の正当事由に基づく異議が認められない限り、更新の効果が生じることになります。

借地権設定者の異議

借地権者の更新請求又は使用継続に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときには、更新の効果は生じませんが(本条1項ただし書)、借地権設定者が異議を述べるためには、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含みます。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由が認められることが必要です(6条)。

借地借家法附則

借地借家法の施行日である平成4年8月1日より前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、借地法の規律に従います(借地借家法附則6条)。

条文の位置付け