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本判決の位置付け

労働契約上の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求する場合に、安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきであるとして、弁護士費用の請求も認めました

事案の概要

チタン材のプレス作業を行う工場において、労働者がプレス作業に従事していたところ、プレス機に両手を挟まれ、両手指挫滅創の傷害を負い、両手の親指を除く各4指を失うという事故に遭いました。そこで当該労働者が、使用者の安全配慮義務違反によって事故が発生したと主張し、損害賠償を求めた事案です。

主な争点

訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合に、その弁護士費用が安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害といえるか否かが争点となりました。

判決文(抜粋)

労働者が,使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ,訴訟追行を弁護士に委任した場合には,その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきである