土地のイメージ

本判決の位置付け

不動産の取得時効の完成後に、第三者が現所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合における、再度の取得時効の成否及び抵当権の帰趨について判示したものです。

事案の概要

土地所有者Aが、買主Xに土地を売却しましたが、Xへの所有権移転登記はされませんでした。Xは土地について、遅くとも昭和45年3月31日から占有を開始し、サトウキビ畑として耕作していました。
一方でAについて相続が開始し、Aの子であるBが、昭和47年10月8日相続を原因として土地所有権移転登記を行いました。また、Bは、昭和59年4月19日、Yのために土地に抵当権を設定し、抵当権設定登記がされました。
しかし、Xは、これらの事実を知らないまま、土地をサトウキビ畑として耕作し、その占有を継続しました。また、Xは抵当権の設定登記時において、自らが土地を所有すると信ずるについて善意かつ無過失でした。
Yが抵当権の実行としての競売を申立て、競売開始決定を得ました。
これに対して、Xが、本件競売の不許を求めて、第三者異議訴訟を提起しました。

3.判決文(抜粋)

不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,上記占有者は,上記不動産を時効取得し,その結果,上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。