民法第592条
借主が貸主から受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることができなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければならない。ただし、第402条第2項に規定する場合は、この限りでない。

条文の趣旨と解説

消費貸借の返還の時期に、借主が種類、品質及び数量が同じ物を返還をすることができなくなった場合には、借主の返還債務は消滅することとなりますが、借主は目的物の消費によって利益を受けていることに鑑み、物の返還に代えて、価額を償還すべきものとされています(本文)。
消費貸借の目的物が通貨であり、返還の時期に強制通用力を失った場合には、市場価額で償還するのではなく、他の通貨で支払うものとされています(ただし書)。

条文の位置付け