民法第345条
質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。

条文の趣旨と解説

占有改定により質権を設定することは認められません(本条)。

なお、本条に関連して、質権設定時に一旦引渡しを受けた後に、質権者が質物を質権設定者に返還した場合に、質権が消滅するかどうかが問題となります。
判例は、質権は消滅せず、動産質においては第三者に対抗することができなくなるにすぎず、不動産質にあっては、質権の効力に何らの影響も及ぼさないと判示しています(大審院大正5年12月25日判決)。

条文の位置付け