- 民法第589条
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- 貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。
- 前項の特約があるときは、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる。
- 平成29年改正前民法第589条
- 消費貸借の予約は、その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
条文の趣旨と解説
平成29年民法(債権関係)改正によって新設された規定です。
同改正前においても、消費貸借においては無利息が原則とされ、利息の合意がある場合に限り発生するものとされていました。しかし、現実に用いられている消費貸借のほとんどが利息付消費貸借であることから、明文の規定を置くことが望ましいとされ、利息の発生に関する規定が設けられました(本条1項)。また、利息は元本を受け取った日から生ずるという判例法理(最高裁昭和33年6月6日第二小法廷判決)が明文化されています(本条2項)。
なお、商人間において金銭消費貸借をしたときは、商法513条1項により、利息の合意がなかったとしても、貸主は、法定利息を請求することができます。