民法第309条
  1. 葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。
  2. 前項の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。

条文の趣旨と解説

社会的見地から、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当額について、葬式の費用の先取特権が付与されています(本条1項)。債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても、葬式の費用の先取特権が認められています(本条2項)。

なお、この先取特権を有する債権者の範囲について、「債務者のために直接葬式の費用を支出した者であることを要するが、自ら葬式に必要な物品又は労力を提供したと、他人をして物品又は労力を提供してその費用を支払ったとを問わないから、葬儀社のみならず、葬儀社に費用を立替払した者も、債権者としてこの先取特権を有する」のに対し、「喪主として葬儀社と葬儀に関する契約をした者が葬儀社に支払った費用については、その喪主自身のために、死者の総財産に先取特権が成立するとは解し得ない」とした決定例があります(東京高裁平成21年10月20日決定)。

条文の位置付け