不満なくモノを分けるというのは、なかなか難しい問題です。
ちょっとだけ考えてみてください。
【 問題 】
2人の兄弟がいます。
家の冷蔵庫にケーキがありましたが、ひとつしかありませんでした。
さて、どうやって分ければ、兄弟はふたりとも納得して分けられるでしょうか?
ケーキを半分に分ける?
とにかくケーキを2等分する?
ホールケーキなら簡単?
うーん、
「そっちのほうが大きい」とか「チョコが乗っていてずるい」とかありそうです。
これがカットケーキだったりすれば、そこから2等分するのは、難しすぎますね。
よくある解答例
ひとつの案として、次のような方法があると言われています。
「切るひと」と「選ぶひと」を分ける。
たとえば
- まずジャンケンで「切るひと」をきめる
- 先に「切るひと」が自分の好きなように切る
- 「選ぶひと」が好きな方をとる。
これで「切るひと」は2等分に納得いくように切って、
「選ぶひと」は自分の目を信じて大きい方を選ぶ。
これなら、ケンカにならずにすみそうです。
でもちょっと待って
問題を考えはじめるまえに、こう思いこんでいませんか?
「兄も弟も、大きい方のケーキを食べたいはずだ」と。
実は
↓
兄はケーキなんて食べたくなかった!?
兄はお腹いっぱいだったので、たくさんは食べたくありませんでした。
「はやく言ってよ!」となるかもしれませんね。
そう、ケーキを分けはじめるまえに、気持ちを聞いてみればよかったのです。
ひとつしかないものを分けるということ
これまで書いてきた問題は、
大人になっても直面するかもしれません。
たとえば、相続という場面で。
相続した家
多くの家庭では、
親から引き継ぐ財産は、両親が住んでいた家ひとつだけだったりします。
家がひとつしかないとき、兄弟で、どうやって分ける?
家を分けるという方法で、ぱっと思いつく分け方は
- A案)むかしながらの、家は長男が継ぐという案
お兄さんが引き継いで、その代わりに兄は弟に何か援助する。 - B案)ムリヤリ家を分割する案
家をリフォームして兄弟で住む。
(それでも南側の部屋がいいとかで揉めそうです。。。) - C案)建物は兄名義で、土地は弟名義とする案
理屈のうえではできますけど、土地だけもらっても仕方ないですよね。
すぐには答えがでなそうです。
お互いの本心は
解決案がおもい浮かばないとき、おたがいに本心で話しあってみると、
じつは利害が一致していたということもあるかもしれません。
-
- 兄「東京でこれからも暮らしていこうと思ってるから、田舎の家なんていらないよ」
- → それなら弟が家を相続すればいいですね。
-
- 兄「家?あげるよ」
弟「もう自分で建てちゃったし、ぼくだっていらないよー」 - → 家は売ってしまって、お金を山分けするということも考えられますね。
- 兄「家?あげるよ」
このようにまずはお互いの気持ちをさらけ出して話し合うことで、納得のいく遺産の分け方ができることもあるかもしれませんよ。