- 民法第435条
- 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。
条文の趣旨と解説
平成29年民法(債権関係)改正により新設された規定です。
改正民法では、改正前民法には規定がなかった連帯債権の法的性質や効果が明記されました。
連帯債権者の一人について生じた事由については、原則として他の債権者に対してその効力を生じませんが(相対的効力の原則、435条の2)、混同があった場合にも相対的効力しか生じないとすると、他の連帯債権者が(債権者でもある)債務者に対して債権全部の履行を請求した後に、受領したものの一部を混同があった(債務者でもある)債権者に返還するという迂遠な関係が生じてしまいます。そこで、改正民法は、混同があったときは、債務者は弁済をしたものとみなし、他の債権者との関係でも債務は消滅することとしました(本条)。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 総則
- 多数当事者の債権及び債務
- 連帯債権
- 民法第432条 – 連帯債権者による履行の請求等
- 民法第433条 – 連帯債権者の一人との間の更改又は免除
- 民法第434条 – 連帯債権者の一人との間の相殺
- 民法第435条 – 連帯債権者の一人との間の混同
- 民法第435条の2 – 相対的効力の原則
- 連帯債権
- 多数当事者の債権及び債務
- 総則
- 債権