- 民法第514条
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- 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
- 債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。
- 平成29年改正前民法第514条
- 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし、更改前の債務者の意思に反するときは、この限りでない。
条文の趣旨と解説
債務者の交替による更改は、債権者と新債務者との契約によってすることができます。
なお、平成29年改正前民法514条ただし書は、債務者の交替による更改は、旧債務者の意思に反してすることはできないと定めていました。
しかし、債務者の内心の意思によって更改の効力が左右されるという規律については、債権者と新債務者が債務者の意思を知り得ない場合に、債務者の変更による更改が有効に成立するか否かが明らかとはならず、債務者から事後的に無効を主張されるリスクがあるという問題点が指摘されていました(部会資料69A)。
そこで、改正民法は、旧債務者の意思を問題とすることなく、債権者が旧債務者に対して更改契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずるものと定められました(本条1項)。
また、免責的債務引受の規律(472条の3)との整合性を図り、新債務者は、その債務を履行した場合であっても、旧債務者に対して求償権を有しないとされています(本条2項)。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 総則
- 債権の消滅
- 更改
- 民法第513条 – 更改
- 民法第514条 – 債務者の交替による更改
- 民法第515条 – 債権者の交替による更改
- 民法第518条 – 更改後の債務への担保の移転
- 更改
- 債権の消滅
- 総則
- 債権