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株式会社の役員や会計監査人はどのように選任するのですか?
取締役、会計参与、監査役(「役員」といいます。)や会計監査人は、株主総会の決議によって選任します。

(解説)
役員の一般的な選任の流れについて、ご説明します。

  1. 候補者の決定

    役員の選任に関する議案は、通常、株主総会に議題・議案を提出する取締役が、具体的な候補者を議案として提案します。取締役会設置会社では取締役会が、取締役会非設置会社で複数の取締役がいるときは取締役の過半数、取締役が1人であればその取締役が決定することになります。
    監査役の選任に関する議案を提案するに際しては、監査役(監査役が2人以上ある場合にはその過半数、監査役会設置会社においては監査役会)の同意が必要とされています。監査等委員会設置会社において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を提案するに際しては、監査等委員会の同意が必要とされています。
    会計監査人の選任に関する議案の内容は、監査役(監査役が2人以上ある場合にはその過半数、監査役会設置会社においては監査役会)が決定します。

  2. 株主に対する情報の提供

    取締役会設置会社においては、役員及び会計監査人の候補者に関する情報は、招集通知書面に記載して株主に提供することになります。また書面投票又は電子投票制度を採用する場合には、株主に交付する株主総会参考書類に、候補者に関するさらに詳しい所定の情報を記載する必要があります。
    一方で、取締役会非設置会社において、書面投票及び電子投票制度を採用しない場合には、必ずしも書面による招集通知を発する必要はなく、株主に通知すべき事項にも規制はありません。

  3. 株主総会の決議

    役員及び会計監査人を選任する株主総会の決議は、原則として普通決議(定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数)によります。ただし、役員の選任については、定足数の下限が定められており、定款によって、定足数を議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1未満にすることは認められていません。

  4. 登記

    役員又は会計監査人を選任したときは、会社において、役員又は会計監査人の就任のときから2週間以内にその登記をする必要があります。

(参照条文)

会社法第329条
役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
会社法第343条
1 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあってはその過半数)の同意を得なければならない。
3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。
平成26年改正後会社法第344条
監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。
2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。
3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、第一項中「監査役〈監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあり、及び前項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
平成26年改正後会社法第344条の2
取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。
会社法第341条
第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。