春の花々が咲き終わると、若葉の緑は夏らしい輝きを見せる。
今日は天気もよかったから、文京区の観光スポットを散歩してきた。
文京区周辺は、明治のころから、文人が集まっていたことで知られ、
当時の小説の舞台になることも多い。
夏目漱石の『こころ』にも、文京区の伝通院や植物園が登場する。
“私は食後Kを散歩に連れ出しました。二人は伝通院の裏手から植物園の通りをぐるりと廻ってまた富坂の下へ出ました。”
夏目漱石『こころ』
私も伝通院から歩いて、小石川植物園に行ってきた。
伝通院
もともとは、1415年、無量山寿経寺という名で開かれたお寺である。
傳通院と称されていた徳川家康の母「於大の方」が、この寿経寺を菩提寺としたことから、
このお寺も「傳通院(伝通院)」と呼ばれるようになったそうだ。
境内は広く開放的。
再建された新しい本堂と山門は、若々しい新緑の季節に似合う。
門前の掲示で知ったのであるが、
伝通院では、写経の会や茶道教室、論語塾、ヨガ教室なども開催されているらしい。
播磨坂
小石川五丁目の交差点から植物園前まで延びる遊歩道である。
この道が整備されたのは戦後のことであるが、
かつてこの付近に松平播磨守の上屋敷が存在したことから、
その名にちなみ、「播磨坂」と名付けられたそうだ。
中央の遊歩道と両側の歩道には、桜の木が植えられており、
「文京さくらまつり」の会場にもなっている。桜の季節にも訪れたい。
小石川植物園
東京大学大学院理学系研究科の附属植物園であるが、
もともとは江戸幕府が「小石川御薬園」として開いた植物園ということだ。
南東にある正門から植物園に入場しようとしたら、
たまたま、今日がみどりの日だったため、入園料が無料であった。
みどりの日には入場無料らしい。
正門を入るとすっかり木々に囲まれる。
植物の名まえや解説が書かれたプレートが掲げられているので、
ひとつひとつ植物の知識を得ながら、観察していくのも楽しい。
梅や桜、ツバキ、ツツジなどのさまざまな花木を観賞することができる。
花々や園内の風景を写生している人たちがたくさんいた。
梅や桜の季節は終わっていたが、
初夏を感じさせる日差しに輝く新緑が美しかった。
園内は驚くほど広い。
しかも、奥に行けば、背の高い針葉樹林がうっそうと生い茂っているので、
まるで深い山のなかを散策しているような感覚を味わった。
綺麗に整備された公園のようになっているから、
森林浴も兼ねて散歩すると、いい気分転換になると思う。
訪れた場所の情報
伝通院
-
- 所在
- 東京都文京区小石川3-14-6
-
- アクセス
- 東京メトロ丸ノ内線・南北線、後楽園駅より徒歩約10分
- 都営地下鉄三田線、春日駅より徒歩約10分
小石川植物園
-
- 所在
- 東京都文京区白山3-7-1
-
- アクセス
- 東京メトロ丸ノ内線、茗荷谷駅徒歩約15分
- 都営地下鉄三田線、白山駅徒歩約10分
- 開園時間
- 午前9時〜午後4時30分(入園は午後4時まで)
関連する日記
夏の神楽坂散歩2013-07-25 |
---|
都内の庭園を散策する/駒込の六義園2011-10-29 |
---|
東京散歩/上野〜谷根千2010-9-4 |
---|