誰にでも住んでみたい街やお気に入りの場所があると思う。
買い物に便利なところ、静かな住宅街、おしゃれな街。
私があこがれをいだいていた街は、神楽坂だった。
1.夏目漱石と神楽坂
私は高校生の頃に夏目漱石の作品にどっぷりと浸かった。本当に夢中で本を読んだ。
うまく言葉では説明できないけれど、小説のなかでゆっくりと時間が過ぎていく感覚が好きだった。とくに『それから』という小説は、ハラハラするような出来事は起こることなく、ざっくりと言ってしまえば、代助という主人公が他人の家を行ったり来たりするだけで話が進んでいく。じつにゆったりとした小説だ。
その代助が行ったり来たりするところに、神楽坂がある。
“神楽坂へかかると、寂りとした路が左右の二階家に挟まれて、細長く前を塞いでいた。中途まで上って来たら、それが急に鳴り出した。代助は風が家の棟に当る事と思って、立ち留まって暗い軒を見上げながら、屋根から空をぐるりと見廻すうちに、忽ち一種の恐怖に襲われた。(『それから』)”
“晩には門野を連れて、神楽坂の縁日へ出掛けて、秋草を二鉢三鉢買って来て、露の下りる軒の外へ並べて置いた。夜は深く空は高かった。星の色は濃く繁く光った。(『それから』)”
私は気付かなかったのだが、いろいろと調べてみると、
『硝子戸の中』や『坊っちゃん』にも神楽坂が登場するらしい。
きっと夏目漱石も神楽坂を愛していたにちがいない。
夏目漱石の作品をよく読んでいた私も、
神楽坂には親しみとあこがれをいただいていたんだと思う。
2.神楽坂祭り
神楽坂の商店街では7月の終わりに「ほおずき市」というお祭りが開催される。
ここの屋台がすごい。何がすごいかというと、どこにでもある屋台ではなくて、神楽坂にある有名な料理屋が屋台を出しているから、売っているものが一つ一つ美味しいのだ。
普段は落ち着いた神楽坂も、この日は大勢の人で賑わう。
3.美味しい和菓子
神楽坂には和菓子屋さんがいくつもある。
ぶらぶらと散歩していて、おいしい和菓子をみつけたので、ご紹介。
神楽坂の老舗和菓子屋「梅花亭」さんの黒糖わらび餅。
買って帰って、自宅で益子焼の器に盛りつけてみた。
黒糖がわらび餅に練り込まれていて、奥深い味になっている。
梅花亭
東京都新宿区神楽坂6-15(神楽坂本店)
http://www.baikatei.co.jp/index.html
4.神楽坂の美味しいお店
神楽坂の美味しいお店 – 2014年2014-12-20 |
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暑い日には水辺のカナルカフェもおすすめ。
久しぶりにカナルカフェに2013-04-23 |
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