- 民法第94条
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- 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
- 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
条文の趣旨と解説
相手方と通じてした虚偽の意思表示は原則として無効です(本条1項)。しかし、善意の第三者に対しては、その無効を対抗することができません(本条2項)。
本条2項の「第三者」とは、虚偽の意思表示の当事者又はその一般承継人以外で、その表示の目的について法律上利害関係を有するに至った者を指します(大審院大正9年7月23日判決)。また同項の「善意」は、虚偽表示であることを知らなかったことをいい、判例は、過失があったか否かを問わないとしています(大審院昭和12年8月10日判決)。