民法第953条
第27条から第29条までの規定は、前条第1項の相続財産の清算人(以下この章において単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。
令和3年改正前民法第953条
第27条から第29条までの規定は、前条第1項の相続財産の管理人(以下この章において単に「相続財産の管理人」という。)について準用する。

条文の趣旨と解説

相続財産の清算人には、不在者の財産の管理人に関する規定(27条から29条)が準用されます。

相続財産の清算人の職務

相続財産の清算人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければなりません(本条において準用する27条1項前段)。相続財産目録を調製する費用は、相続財産の中から支弁します(本条において準用する27条1項後段)。
家庭裁判所は、相続財産の清算人に対し、相続財産の保存に必要と認める処分を命ずることができます(本条において準用する27条3項)。

相続財産の清算人の権限

相続財産の清算人は、(1) 保存行為、(2) 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為をする権限を有し(103条)、これらの範囲を超える行為が必要なときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができます(本条において準用する28条1項)。

清算人の担保提供及び報酬

家庭裁判所は、相続財産の清算人に、相続財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができ(本条において準用する29条1項)、相続財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができます(本条において準用する29条2項)。

条文の位置付け