- 民法第335条
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- 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
- 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
- 一般の先取特権者は、前2項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
- 前3項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。
条文の趣旨と解説
一般の先取特権は、債務者の総財産を目的とするものであることから、他の債権者との調整を図るため、先取特権の行使の方法に次のような制限を設けています。
一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができません(本条1項)。
不動産から弁済を受けることができる場合であっても、特別担保の目的とされていない不動産から弁済を受けなければなりません(本条2項)。
以上の順序に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしていれば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対して先取特権を行使することができません(本条3項)。
ただし、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、上記の順序の定めにかかわらず、その不動産の配当に加入することができます(本条4項)。