民法第416条
  1. 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
  2. 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
平成29年改正前民法第416条
  1. 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
  2. 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

条文の趣旨と解説

損害賠償の範囲を定めています。
平成29年民法改正では、特別損害について定める本条2項のみ、改正が行われました。
改正前は「その事情を予見し、又は予見することができたとき」に特別損害も賠償の範囲に含まれると定められていましたが、予見可能性については、ある損害が賠償されるべきか否かを判断するための規範的な概念であると解されていたことから、このことを法文上明確に表現するため、「予見すべきであったとき」と改められています。

条文の位置付け