民法第422条の2
債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。

条文の趣旨と解説

平成29年民法(債権関係)改正によって新設された規定です。
平成29年民法改正前においても、判例は「一般に履行不能を生ぜしめたと同一の原因によつて、債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には、公平の観念にもとづき、債権者において債務者に対し、右履行不能により債権者が蒙りたる損害の限度において、その利益の償還を請求する権利を認めるのが相当」であるとし(最高裁昭和41年12月23日第二小法廷判決)、代償請求権を肯定していました。
本条は、この判例法理を明文化したものです。

条文の位置付け