- 民法第418条
- 債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
- 平成29年改正前民法第418条
- 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
条文の趣旨と解説
「損害賠償制度を指導する公平の原則と債権関係を支配する信義則」(我妻栄『新訂債権総論』)という観点から、過失相殺を定めています。
平成29年改正前民法は、「債務の不履行に関して」過失があったときと規定していましたが、債務不履行自体について過失があった場合のみならず、債務不履行の生じた後に、損害の発生又は拡大に債権者の過失が加わった場合にも、過失相殺の適用があると一般的に解されていたことから、平成29年民法改正においては、このような解釈が明文化されました。