民法第948条
財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。

条文の趣旨と解説

相続人の責任は相続財産の限度に限られるものではありませんので、財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者が、相続財産をもって全部の弁済を受けられなかった場合、相続人の固有財産からも弁済を受けることができます(本条前段)。
ただし、相続債権者等は、相続財産については、相続人の債権者に優先して弁済を受けたことから、相続人の債権者との均衡を考慮して、相続人の固有財産については、相続人の債権者は、相続債権者等に優先して弁済を受けることができると定められています(本条後段)。

条文の位置付け