- 民法第256条
-
- 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
- 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新のときから5年を超えることができない。
条文の趣旨と解説
各共有者は、原則として、いつでも共有物の分割を請求することができます(本条1項本文)。
しかし、共有者間において、5年を超えない期間内は分割をしないという契約をすることも認められています(本条1項ただし書)。この契約は、更新することができますが(本条2項本文)、その期間は、更新のときから5年を超えることができません(本条2項ただし書)。
不動産に関する不分割の契約は登記事項とされており(不動産登記法59条6号)、特定承継人に対抗するためには登記しておく必要があります(小粥太郎『新注釈民法(5)物権(2)』)。
不分割の契約がある場合でも、共有者の一人が破産手続開始の決定を受けたときには、共有物の分割を請求することができます(破産法52条1項)。また、この場合、他の共有者は、相当の償金を払って、破産者の持分を取得することができます(同法52条2項)。
条文の位置付け
- 民法
- 物権
- 所有権
- 共有
- 民法第249条 – 共有物の使用
- 民法第250条 – 共有持分の割合の推定
- 民法第251条 – 共有物の変更
- 民法第252条 – 共有物の管理
- 民法第252条の2 – 共有物の管理者
- 民法第253条 – 共有物に関する負担
- 民法第254条 – 共有物についての債権
- 民法第255条 – 持分の放棄及び共有者の死亡
- 民法第256条 – 共有物の分割請求
- 民法第257条 – 共有物の分割請求
- 民法第258条 – 裁判による共有物の分割
- 民法第258条の2 – 裁判による共有物の分割
- 民法第259条 – 共有に関する債権の弁済
- 民法第260条 – 共有物の分割への参加
- 民法第261条 – 分割における共有者の担保責任
- 民法第262条 – 共有物に関する証書
- 民法第262条の2 – 所在等不明共有者の持分の取得
- 民法第262条の3 – 所在等不明共有者の持分の譲渡
- 民法第263条 – 共有の性質を有する入会権
- 民法第264条 – 準共有
- 共有
- 所有権
- 物権