- 民法第264条の5
-
- 所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
- 数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときは、所有者不明土地管理人は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
条文の趣旨と解説
所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者も含む。)のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければなりません(本条1項)。
共有持分を有する者の複数が所在不明等である場合には、複数の所在不明者の共有持分を対象として所有者不明土地管理人が選任されることも想定されますが、この場合に、所有者不明土地管理人が特定の共有者の利益を犠牲にして他の共有者の利益を図るような行為をすることは適当ではありません(『民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案の補足説明』)。
そこで、所有者不明土地管理人は、土地管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならないとされています(本条2項)。