- 民法第333条
- 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
条文の趣旨と解説
先取特権の目的が動産である場合、債務者が動産を第三取得者に引き渡した後は、先取特権は、その動産について行使することはできないものとされています(本条)。先取特権は占有を要件とせず、動産に関して公示方法が存しないことから、動産取引の安全を図る趣旨です。
もっとも、先取特権者は、債務者の第三取得者に対する代金請求権に対して、物上代位権を行使することが認められます(304条1項本文)。