民法第315条
賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。

条文の趣旨と解説

原則として、不動産賃貸の先取特権によって担保される債権の範囲は、賃貸借関係から生じた賃借人のすべての債務ですが(312条)、例外的に、破産など債務者の財産のすべてを清算する場合においては、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務に制限されています(本条)。

条文の位置付け