- 民法第316条
- 賃貸人は、第622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。
条文の趣旨と解説
原則として、不動産賃貸の先取特権によって担保される債権は、賃貸借関係から生じた賃借人のすべての債務ですが(312条)、賃貸人が敷金(622条の2第1項)を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ、先取特権を有するものとされています(本条)。
条文の位置付け
- 民法
- 物権
- 先取特権
- 先取特権の種類
- 動産の先取特権
- 民法第311条 – 動産の先取特権
- 民法第312条 – 不動産賃貸の先取特権
- 民法第313条 – 不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲
- 民法第314条 – 不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲
- 民法第315条 – 不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲
- 民法第316条 – 不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲
- 民法第317条 – 旅館宿泊の先取特権
- 民法第318条 – 運輸の先取特権
- 民法第319条 – 即時取得の規定の準用
- 民法第320条 – 動産保存の先取特権
- 民法第321条 – 動産売買の先取特権
- 民法第322条 – 種苗又は肥料の供給の先取特権
- 民法第323条 – 農業労務の先取特権
- 民法第324条 – 工業労務の先取特権
- 動産の先取特権
- 先取特権の種類
- 先取特権
- 物権