東京で12年間、弁護士として働いたあと、じぶんが生まれ育った町で開業することにした。
開業するにあたって、自分はどんな法律事務所を作りたいか、あらためて自問した。
考えた結果は文字にしてみるとありふれた表現となってしまうが、ひとことでいえば「地域から必要とされる存在」である。
経営理念
ただ「地域から必要とされる存在」といっても、抽象的で行動の指針にはならない。
そこで、より具体的に突き詰めて検討してみると、以下のように表現することができた。
- 地域を支え、地域に必要とされながら、長い年月をかけて、地域とともに「成長」する。
- 幅広いニーズに応えるため、多様な知識と経験を「蓄積」する。蓄積した知識や経験は、事務所内で専有することなく、積極的に役立て、地域に還元する。
- 地域からの確かな「信頼」を築く。それは、たとえば一等地にオフィスがあるだとか、立派な応接室があるだとか、そういう外見の問題ではなく、ひとりの人間として信頼されることを目指していく。
開業するときに検討したこと – 事務所の名前について
開業するに際し、事務所の名前をどうするか、真剣に1年以上、考えに考えた。
事務所名をあれこれ考えていると、自分の目指すべき方向とか理想像がぼんやりと見えてくる。事務所名と理想像は、不可分なのだと実感した。
上述したように、私は地域とともに長い年月をかけて成長していくことに重きを置きたいと考えたので、結論としては、奇をてらうことのない、「名前+総合+法律事務所」というシンプルな事務所名に行き着いた。事務所名に「総合」という表現を入れたのは、幅広いニーズを受け入れる存在として、多様な分野の取扱いを目指したいと思ったからである。
開業するときに検討したこと – 物件について
物件は、地元の方が勧めてくれた。
市内で新たに創業する方のためインキュベーション施設とのことである。あくまで創業支援を目的とする施設なので、期間が過ぎたら、出て行かなければいけない。
部屋の広さや営業できる時間など、悩むところはあったものの、自宅で仕事や作業をすることも視野に入れたうえで、与えられた事務所を有効活用していきたいと思った。
いざ入居してみると、創業支援の施設であるだけに、周りの方がいろいろと気に掛けてくれた。地元の方を紹介して下さったり、さまざまな集まりにも参加させて頂いたりして、少しずつご縁も広がった。生まれ故郷とはいえ、長く地元を離れていた身としては、大変有り難かった。
頑張るのはこれから
まだまだ事務所はできたばかりである。
確かな信頼を得られるように、頑張っていく。