- 民法第444条
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- 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。
- 前項に規定する場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、等しい割合で分割して負担する。
- 前2項の規定にかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。
- 平成29年改正前民法第444条
- 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。
条文の趣旨と解説
連帯債務者の一人が、弁済等によって共同の免責を得たときは、他の債務者に対して、その負担部分に応じて、求償することができます(442条1項)。
連帯債務者の中に償還をする資力の無い者があるときには、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力ある者との間において、各自の負担部分に応じて、これを分担します(本条1項)。
平成29年民法(債権関係)改正
改正前民法の規定からは、負担部分を有する者全てが無資力である場合に、負担部分のない者が弁済したとき、負担部分を有しない他の資力ある者に対して求償をすることができるのかどうかが明らかではありませんでした。
判例は、この場合、求償者と他の有資力者との間で平等に負担をすべきであるとしていました(大審院大正3年10月13日判決)。
改正民法は、この判例法理を明文化しています(本条2項)。