民法第15条
  1. 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
  2. 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
  3. 補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。

条文の趣旨と解説

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、一定の請求権者の請求により、補助開始の審判をすることができます(本条1項本文)。ただし、事理を弁識する能力を欠く常況にある場合又は事理を弁識する能力が著しく不十分である場合には、後見又は保佐の対象とすべきであり(7条11条本文)、保佐開始の審判をすることができません(本条1項ただし書)。

自己決定の尊重という観点から、補助開始の審判をするには、本人の同意が必要とされています(本条2項)。

補助開始の審判は、補助人の同意を要する旨の審判又は補助人に代理権を付与する旨の審判とともにしなければなりません(本条3項)。

補助開始の審判の手続は家事事件手続法によります。
補助開始の審判がされたときは、家庭裁判所書記官の嘱託により、後見登記等ファイルに登記がされます(家事事件手続法116条、家事事件手続規則77条1項1号、後見登記等に関する法律4条)。

条文の位置付け