- 民法第283条
- 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
条文の趣旨と解説
地役権は、継続的に行使され、かつ外形上認識することができるものに限り、時効取得(163条)の対象となります。地役権の行使が継続しないか、又は外形上認識することができない場合には、承役地の所有者において時効更新のための権利主張をしないことも想定され、そのような場合に取得時効の成立を認めるべきではないと考えられるからです。
通行地役権の時効取得が問題となった事案において、判例は、継続の要件として「承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によってなされることを要する」と判示しています(最高裁昭和30年12月26日第三小法廷判決)。
条文の位置付け
- 民法
- 物権
- 地役権
- 民法第280条 – 地役権の内容
- 民法第281条 – 地役権の付従性
- 民法第282条 – 地役権の不可分性
- 民法第283条 – 地役権の時効取得
- 民法第284条 – 地役権の時効取得
- 民法第285条 – 用水地役権
- 民法第286条 – 承役地の所有者の工作物の設置義務等
- 民法第287条 – 承役地の所有者の工作物の設置義務等
- 民法第288条 – 承役地の所有者の工作物の使用
- 民法第289条 – 承役地の時効取得による地役権の消滅
- 民法第290条 – 承役地の時効取得による地役権の消滅
- 民法第291条 – 地役権の消滅時効
- 民法第292条 – 地役権の消滅時効
- 民法第293条 – 地役権の消滅時効
- 民法第294条 – 共有の性質を有しない入会権
- 地役権
- 物権