民事訴訟手続の概説
民事訴訟の流れをご説明します。
1. 訴えの提起
(1) 訴状の作成
訴えを提起するためには、裁判所に「訴状」を提出する必要があります。
(2) 訴状の記載事項
訴状には、次の事項を記載することになります。
- 当事者および法定代理人
- 請求の趣旨
- 請求の原因(請求を特定するのに必要な事実)
- 請求を理由づける事実
- 立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なものおよび証拠
(3) 簡易裁判所と地方裁判所のどちらに訴えを提起するか
簡易裁判所は、140万円以下の請求に係る民事事件を扱います。
地方裁判所は、上記以外の民事事件および不動産に関する訴訟を扱います。
(4) どの裁判所に訴えを提起するか
原則として被告の住所地を管轄する裁判所に訴えを提起すべきこととされていますが、たとえば不法行為に関する訴えは不法行為があった地にも管轄が認められるなど、その他の付加的な管轄も認められています。
管轄裁判所は、裁判所のホームページから調べることができます。
2. 口頭弁論
(1) 被告による答弁書の提出または裁判期日への出頭
被告が答弁書を提出せず、しかも定められた口頭弁論の期日に出頭しない場合には、原告の主張どおりの判決がでることもあります。
(2) 答弁書の記載事項
答弁書には、次の事項を記載することになります。
- 請求の趣旨に対する答弁
- 訴状に記載された事実に対する認否および抗弁事実
- 立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なものおよび証拠
(3) 事実の主張、証拠の提出
原則として事前に裁判所および相手方に提出した準備書面に基づいて事実を主張し、主張を裏付けるための証拠を提出することになります。
(4) 準備書面の記載事項
準備書面には、次の事項を記載することになります。
- 攻撃または防御の方法
- 相手方の請求および攻撃または防御の方法に対する陳述
3. 証拠調べの手続
争点について判断するため、書証の取調べ、証人尋問、当事者尋問等の証拠調べが行われます。
4. 訴訟の終了
(1) 判決以外の事由による訴訟手続の終了
判決以外の事由により訴訟手続が終了する場合として、次のようなものがあります。
- 訴えの取下げ
- 請求の放棄
- 請求の認諾
- 裁判上の和解
(2) 判決による訴訟手続の終了
裁判所が証拠調べを行った結果、原告の請求を認容または棄却すべきとの心証を得たときには、裁判所は口頭弁論を終結して判決をすることになります。
弁護士費用
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