八重桜と犬

人から何かを言われたことよりも、
じぶんが人に対して口にした言葉やとってしまった態度に落ち込むことがあります。

ほかに良い言い方はなかったかな、とか、
もっと気のきいた接し方はできなかったかな、とか。

人との関わりのなかで生きている以上、
他人から見たじぶんの人格にも責任をもちたいです。

最近読んだ本の中に、人格を高める方法について書かれていましたので、
ひとつの考え方をご紹介します。

人格を高める方法

アメリカ建国の父といわれている政治家フランクリンの考え方です。
フランクリンが人格の形成について思考した軌跡が、
『フランクリン自伝』という書籍に記されています。

私はいついかなるときでも、まったくあやまちを犯すことのない生活を送り、生まれつきの性癖や習慣、あるいは交友によって、とかくおちりがちなあやまちを一つ残らず克服してしまいたいと思ったのだ。

あやまちのない生活を送ることができたら。
そのためにはどうすればいいのか。

フランクリンが達した結論は、「日々の生活を正す」ことでした。

よい習慣をつくる

自分はいかなるときでも正しい行動が確実にできるという自信をもつためには、まず第一にそれに反する習慣を打破し、つづいてよい習慣をつくって、しっかりそれを身につけなければならないという結論に到達したのだった。

つまり、人格は、日々の「習慣」によって形成されるということです。

フランクリンは自分にとって必要ないしは望ましいと思ったことがらを、
習慣として守らなければいけないこととして、13の徳目にまとめあげました。

13の徳目

1. 節制 あたまが鈍るほど食べないこと。
酔って浮かれ出すほど飲まないこと。
2. 沈黙 他人またはじぶんの利益にならないことはしゃべらないこと。
つまらない話は避けること。
3. 規律 持ち物はすべて置く場所をきめておくこと。
仕事はそれぞれ時間をきめてやること。
4. 決断 やるべきことを実行する決心をすること。
決めたことは必ず実行すること
5. 節約 他人またはじぶんのためにならないことに金を使わないこと。
むだな金は使わないこと。
6. 勤勉 時間をむだにしないこと。有益な仕事につねに従事すること。
必要のない行為は切り捨てること。
7. 誠実 策略をもちいて人を傷つけないこと。
悪意をもたず公正な判断を下すこと。発言も同様。
8. 正義 他人の利益を損なわないこと。
与えるべきものを与えないで、他人に損害を及ぼさないこと。
9. 中庸 両極端を避けること。
怒るに値する侮辱を受けたとしても、一歩その手前でこらえること。
10. 清潔 身体、衣服、住居の不潔をそのままにしないこと。
11. 平静 小さなこと、避けられない出来事で心を乱さないこと。
12. 純潔 性の営みにふけって平和な生活や信用を損なわないこと。
13. 謙譲 キリストとソクラテスにみならうこと。

フランクリンは日々の生活習慣のなかで、
これらの13の徳目を守ることで、道徳の完成を目指しました。

ひとつでも身につける

13の徳目をそのまま実践することは難しいとは思います。
でも、ひとつでもよい習慣を身につけることができたら、自制心が根付くような気がします。
その積み重ねで、じぶんを律することができる人格が作られていくのではないでしょうか。

ぼくも人間関係で後悔することが少なくなれますように。