- 民法第650条
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- 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
- 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に変わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相応の担保を供させることができる。
- 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。
条文の趣旨と解説
委任者のために事務を処理する受任者に、経済的負担をかけず、また損害を被らせないようにする義務を定めています。
なお、平成29年民法(債権関係)改正の過程で、本条3項について、委任事務が専門的な知識又は技能を要するものである場合には、当該委任事務に通常伴うと考えられるリスクが顕在化した場合の損害は受任者が負担するというのが当事者の通常の意思であること、受任者は委任事務の処理にどのようなリスクが伴うかを予測できるから、そのリスクを対価に反映させることもできること等を理由として、専門家への委任には適用しない規律を設けることが提案されていましたが(「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」)、リスクを正当に評価できるのかという問題の指摘もあり、立法化には至りませんでした。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 委任
- 民法第643条 – 委任
- 民法第644条 – 受任者の善管注意義務
- 民法第644条の2 – 復受任者の選任等
- 民法第645条 – 受任者による報告
- 民法第646条 – 受任者による受取物の引渡し等
- 民法第647条 – 受任者の金銭の消費についての責任
- 民法第648条 – 受任者の報酬
- 民法第648条の2 – 成果等に対する報酬
- 民法第649条 – 受任者による費用の前払請求
- 民法第650条 – 受任者による費用等の償還請求等
- 民法第651条 – 委任の解除
- 民法第652条 – 委任の解除の効力
- 民法第653条 – 委任の終了事由
- 民法第654条 – 委任の終了後の処分
- 民法第655条 – 委任の終了の対抗要件
- 民法第656条 – 準委任
- 委任
- 契約
- 債権