民法第650条
  1. 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
  2. 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に変わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に地足、相応の担保を供させることができる。
  3. 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。

条文の趣旨と解説

委任者のために事務を処理する受任者に、経済的負担をかけず、また損害を被らせないようにする義務を定めています。
なお、平成29年民法(債権関係)改正の過程で、本条3項について、「委任事務が専門的な知識又は技能を要するものである場合」には、当該委任事務に通常伴うと考えられるリスクが顕在化した場合の損害は受任者が負担するというのが当事者の通常の意思であること、受任者は委任事務の処理にどのようなリスクが伴うかを予測できるから、そのリスクを対価に反映させることもできること等を理由として、専門家への委任には適用しない規律を設けることが提案されていましたが(「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」)、リスクを正当に評価できるのかという問題の指摘もあり、立法化には至りませんでした。

条文の位置付け