- 民法第411条
- 選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
条文の趣旨と解説
選択による特定の効果は、債権発生のときに遡り(本条本文)、債権発生の時から選択された給付だけを目的とする債権が成立していたことになります。
したがって、不能となった給付も、410条によって特定されない限り、なおこれを選択することができることになります。
なお、本条但書は、選択債権発生の後選択までの間に、選択された目的物について権利を取得する第三者の地位を顧慮した規定といえますが、実際の適用上は、公示の原則に制限されることから、ほとんど特別の効果を生じないものと解されています(我妻栄『新訂債権総論』)。