- 民法第194条
- 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
条文の趣旨と解説
即時取得の目的物が盗品又は遺失物であった場合、被害者又は遺失者は、193条に従って回復請求をすることができるところ、当該回復請求については、原則として、占有者に対して弁償をする必要はありません。
しかし、例外として、「競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたとき」は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することはできないとされています(本条)。
条文の位置付け
- 民法
- 物権
- 占有権
- 占有権の効力
- 民法第188条 – 占有物について行使する権利の適法の推定
- 民法第189条 – 善意の占有者による果実の取得等
- 民法第190条 – 悪意の占有者による果実の返還等
- 民法第191条 – 占有者による損害賠償
- 民法第192条 – 即時取得
- 民法第193条 – 盗品又は遺失物の回復
- 民法第194条 – 盗品又は遺失物の回復
- 民法第195条 – 動物の占有による権利の取得
- 民法第196条 – 占有者による費用の償還請求
- 民法第197条 – 占有の訴え
- 民法第198条 – 占有保持の訴え
- 民法第199条 – 占有保全の訴え
- 民法第200条 – 占有回収の訴え
- 民法第201条 – 占有の訴えの提起期間
- 民法第202条 – 本権の訴えとの関係
- 占有権の効力
- 占有権
- 物権