相続で引き継ぐのは、不動産や預貯金などのプラスの財産だけではありません。亡くなった方が借金をしていた場合には、借金を返すというマイナスの財産(債務)も引き継ぎます

借金を返すという債務を相続した相続人の方は、亡くなった方に代わって、借金を返さなければいけません。

相続人となる方が、このような債務の相続を望まない場合には、「相続放棄」という制度を利用することができます。

相続放棄をすれば、相続人ではなかったことになり、亡くなった方の借金を返す義務から免れることができます。

今回のコラムでは、相続放棄を行う方法や手続の流れ、必要書類などをご説明します

相続放棄の方法

相続放棄をする前に

資産がないかどうか、相続財産の調査を行います
相続人の範囲など相続に関する基礎知識は、以下の記事をご参照いただければと思います。

相続放棄の申述

相続放棄をするには、家庭裁判所に「相続放棄の申述」をします
具体的には相続放棄申述書を家庭裁判所に提出します。

どこの裁判所に申述書を提出する?

亡くなった方(「被相続人」といいます。)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です
家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。
裁判所の管轄区域 | 裁判所

誰が相続放棄の申述をする?

相続放棄をしようとするご本人または代理人が申述書を作成し、提出します。

いつまでに相続放棄の申述をする?

原則として、自己のために相続があったことを知ったときから、3カ月(熟慮期間)以内にしなければいけません。
全体的な相続の流れについては、次の記事をご参照いただければと思います。
相続の流れと期限 – いつまでに何をすればよいのでしょうか

相続放棄申述書の書き方

相続放棄申述書の書式は、家庭裁判所のホームページからダウンロードすることができます
書式の記入例も掲載されています。
相続の放棄の申述書(20歳以上) | 裁判所

相続放棄申述書の主な記載事項は次のとおりです。

  • 当事者および法定代理人
  • 被相続人の氏名および最後の住所
  • 被相続人との続柄
  • 相続の開始があったことを知った年月日

添付書類

相続放棄申述書以外に、一般的に、以下の書類等が必要となります。

第二・第三順位の相続人の方が放棄する場合には、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本が必要となります。

戸籍の取り寄せ方については、以下の記事をご参照いただければと思います。
戸籍の調べ方 ~ 戸籍謄本の取り寄せ方

相続放棄の申述に必要な費用

裁判所に納める費用として以下の費用がかかります。

  • 収入印紙800円
  • 郵便切手 (申述をしようとする家庭裁判所に確認をする必要があります。)

相続放棄の流れ

通常は、裁判所から書面による照会があります。
相続放棄が本人の真意に基づくかの確認や熟慮期間内の申述かどうかの確認が行われます。

相続放棄の申述が受理されると、家庭裁判所から相続放棄申述受理の通知が届きます。その後、必要に応じて、相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。

管理していた相続財産について

相続財産を管理していた方は、相続放棄後も、次順位の相続人が相続財産の管理を始めることができるまで、相続財産を管理する必要があります

相続放棄で弁護士がお手伝いできること

相続放棄では、たとえば以下のようにお役に立てるかと思います。

  • 相続財産や相続人の範囲に関する法的助言
  • 相続放棄申述書の作成や戸籍謄本等の必要書類の収集
  • 相続放棄申述書等の家庭裁判所への提出

私への相続放棄のご依頼と弁護士費用の目安

当事務所における相続放棄の弁護士費用の目安につきましては、以下のページをご参照いただければと思います。
相続放棄

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