- 民法第653条
- 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。
条文の趣旨と解説
委任の終了事由を定めています。
なお、平成29年民法(債権関係)改正の過程において、本条2号につき、以下のように改める提案がされましたが(「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」)、改正には至りませんでした。
「ア 有償の委任において,委任者が破産手続開始の決定を受けたときは、受任者又は破産管財人は、委任の解除をすることができるものとする。この場合において、受任者は、既にした履行の割合に応じた報酬について、破産財団の配当に加入することができるものとする。
イ 受任者が破産手続開始の決定を受けたときは、委任者又は有償の委任における破産管財人は、委任の解除をすることができるものとする。
ウ 上記ア又はイの場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における相手方に限り、請求することができるものとする。この場合において、相手方は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入するものとする。」
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 委任
- 民法第643条 – 委任
- 民法第644条 – 受任者の善管注意義務
- 民法第644条の2 – 復受任者の選任等
- 民法第645条 – 受任者による報告
- 民法第646条 – 受任者による受取物の引渡し等
- 民法第647条 – 受任者の金銭の消費についての責任
- 民法第648条 – 受任者の報酬
- 民法第648条の2 – 成果等に対する報酬
- 民法第649条 – 受任者による費用の前払請求
- 民法第650条 – 受任者による費用等の償還請求等
- 民法第651条 – 委任の解除
- 民法第652条 – 委任の解除の効力
- 民法第653条 – 委任の終了事由
- 民法第654条 – 委任の終了後の処分
- 民法第655条 – 委任の終了の対抗要件
- 民法第656条 – 準委任
- 委任
- 契約
- 債権