- 民法第656条
- この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
条文の趣旨と解説
委任の規定を、法律行為でない事務の委託に準用します。準委任を含む委任の規定は、「他人の事務を処理する法律関係の通則」であると考えられ(我妻栄『債権各論中巻二』)、多種多様な役務提供型の契約の多くが、準委任の規定により処理されきました。
平成29年民法(債権関係)改正の際、法制審議会民法(債権関係)部会において、「今日の社会においては役務提供型の契約の重要性が高まっている一方で、これらの契約に適用されるべき適切な任意規定が用意されていない」として、新たな役務提供型の契約に適用されるべき規律を設けるべきではないかが議論されました(「民法(債権関係)の改正に関する中間試案の補足説明」)が、役務提供一般を対象として一律に妥当する規律を設けることは困難であることから、立法には至りませんでした。
条文の位置付け
- 民法
- 債権
- 契約
- 委任
- 民法第643条 – 委任
- 民法第644条 – 受任者の善管注意義務
- 民法第644条の2 – 復受任者の選任等
- 民法第645条 – 受任者による報告
- 民法第646条 – 受任者による受取物の引渡し等
- 民法第647条 – 受任者の金銭の消費についての責任
- 民法第648条 – 受任者の報酬
- 民法第648条の2 – 成果等に対する報酬
- 民法第649条 – 受任者による費用の前払請求
- 民法第650条 – 受任者による費用等の償還請求等
- 民法第651条 – 委任の解除
- 民法第652条 – 委任の解除の効力
- 民法第653条 – 委任の終了事由
- 民法第654条 – 委任の終了後の処分
- 民法第655条 – 委任の終了の対抗要件
- 民法第656条 – 準委任
- 委任
- 契約
- 債権