民法第111条
  1. 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
    • 本人の死亡
    • 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと
  2. 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

条文の趣旨と解説

代理権の消滅原因を定めています。

本人の死亡

任意代理は、本人の信任に基づくため、本人が死亡したときは代理権は消滅するものとされます(本条1項1号)。もっとも、当該規定と異なる合意をすることもできると解されています(最高裁昭和28年4月23日第一小法廷判決)。なお、商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しません(商法506条)。
法定代理は、本人の具体的事情により法律が代理権の成立を認めるものであるところ、本人が死亡したときはその必要性が消滅するため、法定代理権も消滅します(本条1項1号)。

代理人の死亡

任意代理と法定代理とを問わず、代理人の個性が代理人の資格として重要となるため、代理人が死亡した場合には、代理権が消滅します(本条1項2号)。

代理人が破産手続開始の決定又は後見開始の審判を受けたこと

代理人が破産手続開始決定又は後見開始の審判を受けたときは、代理人の財産管理の能力に対する信頼が失われることから、代理権を消滅するものとされています(本条1項2号)。

委任の終了

任意代理権は、本条1項に掲げる事由のほか、委任の終了(651条及び653条)によって消滅します(本条2項)。

条文の位置付け