- 民法第114条
- 前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
条文の趣旨と解説
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、原則として、本人に対して効力を生じませんが、本人は、追認をすることにより、この無権代理の効果を自己に帰属させることができます(113条1項)。
無権代理行為の相手方は本人に効果が帰属するかどうか不安定な状態に置かれることから、相手方は、本人に対して、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることが認められています(本条前段)。この場合に、本人がその期間内に確答しないときは、追認を拒絶したものとみなされ(本条後段)、本人に効果が帰属しないことが確定します。
条文の位置付け
- 民法
- 総則
- 法律行為
- 代理
- 民法第99条 – 代理行為の要件及び効果
- 民法第100条 – 本人のためにすることを示さない意思表示
- 民法第101条 – 代理行為の瑕疵
- 民法第102条 – 代理人の行為能力
- 民法第103条 – 権限の定めのない代理人の権限
- 民法第104条 – 任意代理人による復代理人の選任
- 民法第105条 – 法定代理人による復代理人の選任
- 民法第106条 – 復代理人の権限等
- 民法第107条 – 代理権の濫用
- 民法第108条 – 自己契約及び双方代理等
- 民法第109条 – 代理権授与の表示による表見代理等
- 民法第110条 – 権限外の行為の表見代理
- 民法第111条 – 代理権の消滅事由
- 民法第112条 – 代理権消滅後の表見代理等
- 民法第113条 – 無権代理
- 民法第114条 – 無権代理の相手方の催告権
- 民法第115条 – 無権代理の相手方の取消権
- 民法第116条 – 無権代理行為の追認
- 民法第117条 – 無権代理人の責任
- 民法第118条 – 単独行為の無権代理
- 代理
- 法律行為
- 総則