- 民法第925条
- 相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。
条文の趣旨と解説
限定承認がされた場合、相続人が被相続人に対して有した権利義務は、相続にあたり混同(179条、520条)によって消滅することはないものとされています(本条)。
したがって、限定承認をした相続人が、被相続人に対して債務を負っていた場合には、これを弁済しなければならず、また、被相続人に対して権利を有していた場合には、他の債権者と同様に清算手続に参加して配当弁済を受けることととなります。
条文の位置付け
- 民法
- 相続
- 相続の承認及び放棄
- 相続の承認
- 限定承認
- 民法第922条 – 限定承認
- 民法第923条 – 共同相続人の限定承認
- 民法第924条 – 限定承認の方式
- 民法第925条 – 限定承認の方式
- 民法第926条 – 限定承認者による管理
- 民法第927条 – 相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告
- 民法第928条 – 公告期間満了前の弁済の拒絶
- 民法第929条 – 公告期間満了後の弁済
- 民法第930条 – 期限前の債務等の弁済
- 民法第931条 – 受遺者に対する弁済
- 民法第932条 – 弁済のための相続財産の換価
- 民法第933条 – 相続債権者及び受遺者の換価手続への参加
- 民法第934条 – 不当な弁済をした限定承認者の責任等
- 民法第935条 – 公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者
- 民法第936条 – 相続人が数人ある場合の相続財産の管理人
- 民法第937条 – 法定単純承認の事由がある場合の相続債権者
- 限定承認
- 相続の承認
- 相続の承認及び放棄
- 相続