- 民法第929条
- 第927条第1項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれの債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。
条文の趣旨と解説
927条1項の請求申出期間が満了後は、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に申出をした相続債権者や、知れている債権者に対して、それぞれの債権額の割合に応じて、弁済をします(本条本文)。
ただし、抵当権などの優先弁済を受ける権利を有する債権者に対してはその優先権を害することはできず、相続財産の限度でまず全額の弁済をするものとされています(本条ただし書)。
条文の位置付け
- 民法
- 相続
- 相続の承認及び放棄
- 相続の承認
- 限定承認
- 民法第922条 – 限定承認
- 民法第923条 – 共同相続人の限定承認
- 民法第924条 – 限定承認の方式
- 民法第925条 – 限定承認の方式
- 民法第926条 – 限定承認者による管理
- 民法第927条 – 相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告
- 民法第928条 – 公告期間満了前の弁済の拒絶
- 民法第929条 – 公告期間満了後の弁済
- 民法第930条 – 期限前の債務等の弁済
- 民法第931条 – 受遺者に対する弁済
- 民法第932条 – 弁済のための相続財産の換価
- 民法第933条 – 相続債権者及び受遺者の換価手続への参加
- 民法第934条 – 不当な弁済をした限定承認者の責任等
- 民法第935条 – 公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者
- 民法第936条 – 相続人が数人ある場合の相続財産の管理人
- 民法第937条 – 法定単純承認の事由がある場合の相続債権者
- 限定承認
- 相続の承認
- 相続の承認及び放棄
- 相続