- 民法第394条
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- 抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。
- 前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。
条文の趣旨と解説
抵当権者は一般債権者でもあることから、債務者の一般財産に対しても権利を行使し、弁済を受けることができます。しかし、抵当権者が先に一般債権者として抵当不動産以外の債務者の財産から弁済を受け、次に自己の抵当権を実行し抵当不動産から優先弁済を受けると、一般債権者が不利益を被ることから、民法は、次のとおり、一般債権者との利益を調節する規定を設けています。
抵当権者は、抵当権を実行して、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の一般財産より弁済を受けることができるものとされています(本条1項)。
抵当不動産の代価に先立って一般財産の代価を配当する場合には、抵当権者は、自己の債権額全額について一般財産の配当に加入することができますが(本条2項前段)、他の債権者の請求があるときは、抵当権者に配当すべき金額を供託しなければなりません(本条2項後段)。
条文の位置付け
- 民法
- 物権
- 抵当権
- 抵当権の効力
- 民法第373条 – 抵当権の順位
- 民法第374条 – 抵当権の順位の変更
- 民法第375条 – 抵当権の被担保債権の範囲
- 民法第376条 – 抵当権の処分
- 民法第377条 – 抵当権の処分の対抗要件
- 民法第378条 – 代価弁済
- 民法第379条 – 抵当権消滅請求
- 民法第380条 – 抵当権消滅請求
- 民法第381条 – 抵当権消滅請求
- 民法第382条 – 抵当権消滅請求の時期
- 民法第383条 – 抵当権消滅請求の手続
- 民法第384条 – 債権者のみなし承諾
- 民法第385条 – 競売の申立ての通知
- 民法第386条 – 抵当権消滅請求の効果
- 民法第387条 – 抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力
- 民法第388条 – 法定地上権
- 民法第389条 – 抵当地の上の建物の競売
- 民法第390条 – 抵当不動産の第三取得者による買受け
- 民法第391条 – 抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求
- 民法第392条 – 共同抵当における代価の配当
- 民法第393条 – 共同抵当における代位の付記登記
- 民法第394条 – 抵当不動産以外の財産からの弁済
- 民法第395条 – 抵当建物使用者の引渡しの猶予
- 抵当権の効力
- 抵当権
- 物権